一般皮膚科|福岡市西区の皮膚科・美容皮膚科『九大学研都市かえで皮膚科』糸島市隣

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一般皮膚科

一般皮膚科|福岡市西区の皮膚科・美容皮膚科『九大学研都市かえで皮膚科』糸島市隣

湿疹

皮膚科の診療でとても多く見られる症状です。皮膚の炎症によって、赤み、かゆみ、かさつきなどが現れる症状の総称です。ひどい場合は、水ぶくれなどができ、皮がむけることもあります。
アレルギーや刺激物、乾燥、ストレス、感染など、さまざまな要因が関与し、急性のものから慢性化するものまで種類も多岐にわたります。湿疹の主な種類としては、接触皮膚炎(かぶれ)、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疹(あせも)があります。
湿疹の治療には、ステロイド外用薬や保湿剤、抗ヒスタミン薬などが用いられます。原因によっては、生活習慣の改善やスキンケアの見直しが必要です。
かゆみを我慢せず、早めに皮膚科を受診することが大切です。

接触皮膚炎(かぶれ)

皮膚が特定の物質に触れることで炎症を起こす疾患です。
接触皮膚炎には大きく分けて「刺激性接触皮膚炎」と「アレルギー性接触皮膚炎」の2種類があります。刺激性接触皮膚炎は、洗剤や化学薬品、アルコール、汗などの強い刺激によって皮膚が直接ダメージを受けることで発症し、誰にでも起こる可能性があります。一方、アレルギー性接触皮膚炎は、金属やゴム、化粧品、植物など特定の物質に対するアレルギー反応によって発症します。パッチテスト検査が診断に有用であり、原因となる物質を避けることが治療の基本です。

アトピー性皮膚炎

慢性的に繰り返すかゆみの強い湿疹を特徴とする皮膚疾患です。乳幼児期から発症することが多く、成長とともに軽快することもありますが、大人になっても症状が続く場合もあります。皮膚のバリア機能が低下しているため、乾燥しやすく、外部からの刺激やアレルギー反応によって炎症が悪化しやすいのが特徴です。原因は、遺伝的な体質に加え、ダニやハウスダスト、花粉、食べ物などのアレルギー要因、ストレス、汗や衣類のこすれなどの環境要因が関係すると考えられています。症状が悪化すると、強いかゆみのために皮膚を掻いてしまい、さらに炎症が悪化する「かゆみの悪循環」に陥ることがあります。
治療は、ステロイド外用薬を用いて炎症を抑え、保湿剤を使って皮膚のバリア機能を高めることが重要です。プロトピック軟膏©、コレクチム軟膏©、モイゼルト軟膏©、ブイタマークリーム©といったアトピー性皮膚炎の外用薬もあります。
難治の場合は、注射薬の生物学的製剤(デュピクセント©、ミチーガ©、アドトラーザ©、イブグリース©)や内服薬のJAK阻害薬(オルミエント©、リンヴォック©、サイバインコ©)での治療の選択肢があり、当院ではそれらの治療を行うことができます。

結節性痒疹

強いかゆみを伴う硬いしこり(結節)が主に体四肢にできる疾患です。かゆみが強く、繰り返し掻くことでさらに悪化し、治りにくくなることがあります。原因ははっきりしていませんが、虫刺されやアレルギー、アトピー性皮膚炎、ストレスなどが関与すると考えられています。
治療にはステロイド外用薬を用いて炎症を抑えます。難治の場合は、注射薬の生物学的製剤(デュピクセント©、ミチーガ©)での治療の選択肢があり、当院ではそれらの治療を行うことができます。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の分泌が多い部分に赤みやフケのようなカサつきが生じる皮膚炎です。特に頭皮や顔(眉毛、鼻の周り)、耳、胸などに発症しやすく、かゆみを伴うこともあります。
原因として、皮脂の過剰分泌や、皮膚に常在するマラセチア菌(カビの一種)の影響が関与していると考えられています。ストレスや食生活の乱れ、季節の変化なども症状を悪化させる要因になります。
治療には、抗真菌薬(マラセチア菌を抑える薬)やステロイド外用薬を使用し、症状をコントロールします。また、適度な洗顔やシャンプーで清潔を保ち、刺激の少ないスキンケアを心がけることも大切です。

汗疱

手のひらや指、足の裏に小さな水ぶくれができ、かゆみを伴うことが多く、症状が悪化すると皮がむけたり、ひび割れを起こすことがあります。
原因ははっきりしていませんが、汗の影響やアレルギー、ストレスなどが関与すると考えられています。特に汗をかきやすい季節に症状が出やすく、繰り返しやすいのが特徴です。
治療には、ステロイド外用薬や保湿剤を使用し、かゆみや炎症を抑えます。

蕁麻疹(じんましん)

突然、皮膚に赤みを伴う膨らみ(膨疹)が現れ、強いかゆみを伴い24時間以内に自然に消えることが多いですが、繰り返し発症することもあります。発症して6週間以内を「急性じんましん」、それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼びます。
原因はさまざまで、食べ物や薬、温度変化、ストレス、感染症などが関与することがありますが、特定できない場合も少なくありません。
治療には、抗アレルギー薬を用いた内服治療が基本です。改善しない場合はH2遮断薬やロイコトリエン拮抗薬、トラネキサム酸を追加する場合もあります。
それらの治療で改善しない難治の慢性蕁麻疹は、注射薬の抗IgE抗体製剤(ゾレア©)での治療の選択肢があり、当院ではそれらの治療を行うことができます。

口唇炎・口角炎

口唇炎(こうしんえん)は、唇が乾燥してひび割れたり、赤みや腫れ、かゆみが生じます。口角炎(こうかくえん)は、口の端(口角)がただれたり、亀裂ができる症状を指します。どちらも痛みを伴うことがあり、悪化すると食事や会話がつらくなることもあります。
原因として、乾燥や刺激物(辛い食べ物・化粧品)、ビタミン不足、唾液の影響、細菌やカビ(カンジダ菌)の感染などが考えられます。
治療には、保湿剤や炎症を抑える軟膏の使用、ビタミン補給が効果的です。また、唇をなめる癖を控え、刺激の少ないスキンケアを心がけることが予防につながります。

にきび(尋常性ざ瘡)

毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が増殖することで炎症を起こす皮膚疾患です。主に顔や背中、胸などの皮脂分泌が多い部位に発生し、思春期に多く見られますが、大人になってから発症することもあります。
原因として、ホルモンバランスの変化、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、ストレス、食生活の乱れなどが挙げられます。炎症が悪化すると、赤く腫れたり、膿を持つことがあり、放置するとニキビ跡が残ることもあります。
治療には、毛穴の詰まりを改善する外用薬や抗菌薬の使用、適切なスキンケアが効果的です。保健治療で効果が得られない場合もあり、イソトレチノインの内服薬やピーリング、IPLなどの保険外治療もあります。

多汗症

多汗症(たかんしょう)は、必要以上に汗をかく状態が続く疾患です。特に手のひら、足の裏、脇、顔などに多く見られ、日常生活に支障をきたすこともあります。
原因として、交感神経の過剰な働きが関与していると考えられています。ストレスや緊張、暑さに関係なく汗が大量に出るのが特徴です。
治療には、腋窩多汗症に対しエクロックゲル、ラピフォートワイプ、手掌多汗症にはアポハイドローションの外用があり、他には塩化アルミニウム液、内服薬、ボトックス注射などがあり、症状に応じた方法を選択します。

酒さ・赤ら顔

酒さ(しゅさ)とは、顔の中心部に赤みやほてりが生じる慢性的な皮膚疾患です。特に頬、鼻、額、あごなどに症状が現れ、進行すると毛細血管の拡張や、小さなブツブツ(丘疹・膿疱)ができることもあります。一般的に「赤ら顔」と呼ばれる状態も、酒さの一種であることが多いです。
原因ははっきりしていませんが、紫外線、寒暖差、刺激の強い食べ物、ストレス、アルコールの摂取などが症状を悪化させる要因と考えられています。皮膚が敏感になりやすく、乾燥やスキンケアの影響も受けやすいのが特徴です。
治療には、抗炎症作用のある外用薬や内服薬、IPLなどが用いられます。また、日常生活では、紫外線対策を行い、刺激の少ないスキンケアを心がけることが大切です。
酒さや赤ら顔にお悩みの方は、適切な治療を受けることで症状を和らげることができるため、一度ご相談ください。

円形脱毛症

円形脱毛症は、突然、頭髪の一部が円形または楕円形に抜ける疾患です。小さな脱毛斑が1カ所だけできる場合もあれば、複数の箇所に広がることもあります。重症になると、頭髪全体や体毛まで抜けることがあります。
原因として、自己免疫異常が関与していると考えられ、ストレスや遺伝的要因も影響する可能性があります。毛根が炎症を起こし、免疫細胞が誤って自分の毛根を攻撃することで髪が抜けるとされています。
治療には、ステロイド外用薬や光線療法などが用いられ、急性期にはステロイド点滴を行うことがあります。JAK阻害薬(オルミエント©、リットフーロ©)での治療の選択肢があり、当院ではそれらの治療を行うことができます。
多くの場合、時間とともに自然に回復することもありますが、症状が進行する場合は早めの受診が大切です。

単純疱疹(ヘルペス)

単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって発症する皮膚疾患です。主に唇や口の周り、性器などに水ぶくれや痛みを伴う症状が現れます。
ウイルスは一度感染すると体内に潜伏し、疲労やストレス、発熱、紫外線などをきっかけに再発しやすいのが特徴です。初感染時には発熱やリンパ節の腫れを伴うこともあります。
治療には、抗ウイルス薬の内服や外用薬を使用し、症状の悪化や再発を抑えます。発症の兆候(ピリピリした違和感やかゆみ)がある段階で早めに治療を開始すると、症状を軽減できます。
単純疱疹は他人に感染する可能性があるため、患部には触らず、タオルや食器の共用を避けるなどの対策が必要です。

帯状疱疹

水ぼうそう(水痘)の原因となる「水痘・帯状疱疹ウイルス」が再活性化することで発症する病気です。
初期症状として、体の片側にピリピリ・チクチクとした痛みが現れ、その後、赤い発疹や水ぶくれが出てくるのが特徴です。発熱や倦怠感を伴うこともあり、痛みの程度には個人差があります。発疹が治った後も、神経痛が長期間続くことがあるため、早めの治療が重要です。
治療には抗ウイルス薬を使用し、早期治療により症状の軽減が期待できます。痛みが強い場合には、鎮痛剤などを併用することもあります。予防として、帯状疱疹ワクチンの接種が有効で、50歳以上の方には特に推奨されています。
帯状疱疹は早めの診断と治療が大切です。「もしかして?」と思ったら、すぐにご相談ください。

尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって皮膚にできるいぼで、主に手や指、足の裏などにできやすく、表面が硬く、ゴツゴツとした見た目が特徴です。いぼの大きさや形はさまざまで、最初は小さくても時間とともに大きくなったり、数が増えたりすることがあります。痛みがないことが多いため放置されがちですが、増えたり広がったりする可能性があるため、早めの治療が大切です。
治療には、液体窒素療法(凍結療法)を用いるのが一般的で、いぼを凍らせてウイルスを破壊する方法がよく行われます。また、レーザー治療を行うこともあります。

蜂窩織炎

蜂窩織炎は、皮膚の深い部分や皮下組織に細菌が感染し、炎症を引き起こす病気です。主に黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌が原因となり、傷口や虫刺されなどから細菌が侵入して発症します。
症状として、皮膚の赤みや腫れ、熱感、痛みが現れ、発熱や倦怠感を伴うこともあります。特に顔や足に発症しやすく、放置すると重症化することがあるため注意が必要です。糖尿病や免疫力の低下がある方は特に注意が必要です。
治療には抗生物質の内服や点滴を行い、症状が強い場合は入院が必要になることもあります。予防として、傷口を清潔に保ち、水虫や湿疹の治療を早めに行うことが重要です。

水虫・爪水虫

水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が足の皮膚に入り込んで発症する病気です。白癬菌が増殖しやすい夏に症状の悪化がみられます。足指の間の皮膚がふやけたように白く濁り、じくじく、かさかさ、赤み、水ぶくれが生じたり、かかとを中心に足裏の皮膚が厚くなり、ひび割れたり、粉をふいたりした状態になります。かゆみがない場合もあります。
爪水虫は爪に感染することで発症し、白く濁ったり、厚くなる場合もあります。
治療は病態に応じて塗り薬や内服薬を使用します。

疥癬

ヒゼンダニ(疥癬虫)が皮膚に寄生して起こる感染症です。特に夜にかゆみが強くなり、手指の間や肘、脇の下、陰部などに発疹が現れるのが特徴です。感染力が高く、家族や施設内で広がることもあるため、早めの治療が大切です。
疥癬には、一般的な「通常疥癬」と、感染力が非常に高い「角化型疥癬」があります。通常疥癬では、赤い発疹や水疱を伴い、強いかゆみが続きます。一方、角化型疥癬は皮膚が厚くなり、白いかさぶたのようなものが広がるため、慎重な対応が必要です。
誤って診断がつかないままステロイドの外用薬を使用すると、症状が一時的に抑えられることがありますが、実際にはダニが増殖し、かえって悪化することがあります。原因が特定できないまま強いかゆみが続く場合は、自己判断せず、受診することが大切です。
治療には、外用薬や内服薬を用います。また、衣類や寝具を高温で洗濯し、清潔な環境を保つことも重要です。かゆみが長引く、家族に同じ症状がある、施設内で感染の疑いがある場合は、お早めにご相談ください。

巻き爪

巻き爪とは、爪の端が皮膚に食い込んでしまうことです。痛みや炎症を引き起こすことがあり、悪化すると歩くことがつらくなったり、炎症が進行して化膿してしまうこともあります。巻き爪は自然に治ることが少なく、適切なケアや治療が必要です。
巻き爪の原因には、爪の切り方の問題(深爪や角を丸く切る習慣)、足に合わない靴の着用、遺伝的要因、外傷やスポーツによる負担などが挙げられます。特に、誤った爪の切り方を続けると、巻き爪を繰り返しやすくなるため注意が必要です。
治療としては、テーピングやガター法、くさび状爪甲除去などに加え、「3TO(VHO)ワイヤー矯正法」も導入しています。この方法は、特殊な形状記憶ワイヤーを爪の中央に装着し、食い込んだ部分を持ち上げながら矯正する治療法です。痛みが少なく、通常のワイヤーとは異なり爪の中央部に装着することで長持ちすることが特徴です。当院では、患者様の症状に合わせた治療法を提案し、痛みの軽減や根本的な改善を目指します。

たこ・うおのめ

たこ・うおのめは、足の特定の部分に繰り返し圧力や摩擦が加わることでできる硬い角質の塊です。たこ(胼胝)は広範囲に硬くなりやすく、うおのめ(鶏眼)は芯ができ、強い痛みを伴うことがあります。歩くたびに刺激され、痛みが生じる場合があります。
また、足の裏によくできるのが尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)といういぼの一種です。うおのめと似ていますが、これはウイルス性のいぼで知らずに削ってしまうと、かえって患部を広げてしまうことがありますので注意が必要です。鑑別をきちんとつけるためにも、皮膚科の受診をお勧めします。

やけど

やけどは、熱湯や火、蒸気、化学物質、電気などが皮膚に触れることで起こる損傷です。受傷直後の対応が重要で、適切な処置を行うことで症状の悪化を防ぐことができます。まずは患部を流水で冷やし、できるだけ早く熱を取り除くことが大切です。衣服の上からやけどを負った場合は、無理に脱がさず、衣服の上から冷水をかけて冷やしてください。
やけどは、見た目の症状よりも深いダメージを負っていることがあり、時間が経つにつれて悪化する可能性があります。特に、水ぶくれができたり、皮膚がただれたりする場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。患部をこすったり、無理に水ぶくれを潰したりすると、感染の原因となるため注意が必要です。

しもやけ

寒さや温度差によって血行が悪くなることで起こる皮膚の炎症です。特に気温が5℃前後の環境で、手や足の指、耳たぶ、頬などが赤く腫れたり、かゆみや痛みを伴ったりすることがあります。症状が進行すると、皮膚が紫色になったり、水ぶくれやひび割れが生じたりすることもあります。
しもやけの治療には、ビタミンEなどの血流改善効果がある薬を内服または外用することで、症状の改善を図ることができます。かゆみや炎症が強い場合には、ステロイド外用薬を処方することもあります。自宅でのケアとしては、ぬるま湯で手足を温めたり、保湿クリームを使用して皮膚を乾燥から守ったりすることが有効です。
しもやけを予防するためには、寒さから皮膚を守り、こまめにマッサージをして血行を促すことが大切です。冷えた手足を急に温めると、かえって症状が悪化することがあるため、ゆっくりと温めるようにしましょう。

床ずれ

床ずれ(褥瘡〈じょくそう〉)とは、長時間同じ姿勢でいることで皮膚の一部が圧迫され、血流が悪くなることで生じる皮膚の損傷のことを指します。特に寝たきりの方や車いすを使用している方に起こりやすく、主に骨が突き出ている部分、たとえば腰やお尻、かかと、肘などに発生しやすいのが特徴です。
床ずれは、初期の段階では皮膚が赤くなる程度ですが、進行すると皮膚に傷ができ、深部の組織にまで影響を及ぼすこともあります。感染を伴うと、痛みや発熱を引き起こし、重症化することもあるため、早期の対策と適切なケアが非常に重要です。

虫刺され

虫刺されは、蚊やダニ、ノミ、ハチなどの昆虫に刺されたり噛まれたりすることで、皮膚に赤みやかゆみ、腫れなどの症状が現れる状態です。多くの場合、数日で自然に治りますが、体質や刺された虫の種類によっては、強いかゆみや痛みが続いたり、腫れが広がったりすることがあります。
日常で頻度の高いのは蚊ですが、刺されると皮膚が赤く腫れ、かゆみを伴うことが一般的です。これは、蚊が吸血する際に皮膚に注入する唾液に対するアレルギー反応によって引き起こされます。かゆみの程度や腫れの大きさには個人差があり、特にアレルギー体質の方や小さなお子様では、大きく腫れたり、かゆみが強く出たりすることがあります。通常、蚊に刺された痕は数日で治まりますが、強いかゆみのために掻き壊してしまうと、傷口から細菌が入り「とびひ(伝染性膿痂疹)」や皮膚の炎症(蜂窩織炎)を引き起こすことがあります。
屋外に出る際に虫除けスプレーを使用したり、肌の露出を避けるなどの予防対策も大切です。
また、ハチに刺された場合は、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なアレルギー反応を引き起こすこともあるため注意が必要です。
虫刺されによるトラブルでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

自己免疫性水疱症

自己免疫性水疱症とは、免疫の異常によって自分の皮膚や粘膜が攻撃され、水ぶくれ(水疱)ができる病気の総称です。代表的な疾患には「天疱瘡(てんぽうそう)」や「類天疱瘡(るいてんぽうそう)」などがあり、いずれも皮膚や粘膜の障害を引き起こす難治性の疾患です。
この病気では、体内の免疫システムが誤って皮膚の細胞同士をつなぐタンパク質を攻撃することで、水疱やびらん(ただれ)が生じます。天疱瘡では、皮膚がもろくなり、軽い摩擦でも水疱が破れてただれやすくなります。一方、類天疱瘡は皮膚の深い部分に水疱ができるため、比較的破れにくいですが、かゆみや炎症を伴うことが多いのが特徴です。
特に類天疱瘡は、DPP-4阻害薬(糖尿病治療薬)やループ系利尿薬が原因となることがあり、それらの薬剤で治療している方で水疱ができた場合は注意が必要です。
症状は全身に広がることもあり、口の中やのどなどの粘膜にも水疱ができると、食事がしにくくなることもあります。進行すると、皮膚の傷から感染症を引き起こすリスクもあるため、早期診断と適切な治療が重要です。

乾癬

乾癬(かんせん)は、皮膚に赤く盛り上がった発疹が現れ、その表面に銀白色の鱗屑(りんせつ)が付着する慢性的な皮膚疾患です。主に頭皮や肘、膝、背中などに発症し、かゆみを伴うこともあります。乾癬は感染症ではなく、人にうつる病気ではありませんが、症状が目立つため、見た目に対する悩みを抱える方も少なくありません。
爪に乾癬が現れる「爪乾癬(つめかんせん)」では、爪の変色や凹凸、もろくなるといった症状がみられ、日常生活に支障をきたすこともあります。さらに、関節の腫れや痛みを伴う「乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)」を発症する場合があります。これにより、関節の可動域が制限され、放置すると関節の変形につながる可能性もあります。
特に重症の乾癬では、皮膚や関節の症状だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことが明らかになっています。心筋梗塞や脳卒中、さらには心血管死のリスクが高まることが報告されています。そのため、乾癬の治療は見た目の症状を改善するだけではなく、将来的な健康リスクを軽減するためにも、適切な治療を受けることが大切です。
乾癬の治療には、症状の程度や部位に応じてさまざまな方法があります。軽症から中等症の場合は、主にステロイドやビタミンD3製剤といった外用薬が用いられ、炎症を抑えることで症状の改善を目指します。中等症から重症の乾癬には、生物学的製剤と呼ばれる注射薬や、内服薬ではTYK2阻害薬、PDE4阻害薬、免疫抑制剤などが治療の選択肢となります。
当院では、患者様一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた最適な治療をご提案し、乾癬と向き合うサポートをいたします。乾癬は長期間にわたって付き合う必要のある疾患ですが、適切な治療により、症状をしっかりコントロールすることが可能です。乾癬の症状でお悩みの方、または関節や爪の異常を感じる方は、お気軽にご相談ください。

掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に小さな膿を持った発疹(膿疱)が繰り返し発生する慢性的な皮膚疾患です。膿疱は細菌感染によるものではないため、人にうつる心配はありませんが、赤みやかゆみ、痛みを伴うことがあり、日常生活に支障をきたすこともあります。症状が進行すると皮膚が厚くなり、ひび割れを起こしてさらに痛みを感じることがあります。
掌蹠膿疱症の明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫の異常が関与していると考えられています。特に、扁桃炎や虫歯、金属アレルギー、喫煙などが発症や悪化の要因となることが知られており、慢性的な炎症が影響を与えている可能性があります。また、関節に炎症が及ぶ「掌蹠膿疱症性骨関節炎」を合併することがあり、胸鎖関節(胸骨と鎖骨のつなぎ目)や脊椎などに痛みや腫れが生じることがあります。
治療は症状の程度によって異なりますが、軽症の場合は主にステロイド外用薬やビタミンD3製剤を使用して炎症を抑えます。中等症以上の患者様には、光線療法や、免疫抑制剤、生物学的製剤などがあります。
掌蹠膿疱症は慢性的に症状が続くことが多いため、治療と並行して生活習慣の見直しも重要です。特に喫煙は悪化のリスクを高めるため、禁煙が強く推奨されます。また、歯科治療が必要な場合もあり、扁桃炎や虫歯、金属アレルギーが疑われる場合は、専門医と連携しながら適切な対処を行うことが望ましいです。

尋常性白斑

尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)は、皮膚の一部の色素が失われ、白い斑点(白斑)ができる病気です。白斑は境界がはっきりしており、顔や手足、体幹など、全身のさまざまな部位に現れることがあります。痛みやかゆみを伴うことは少なく、健康に直接影響を及ぼす疾患ではありませんが、見た目の変化が大きいため、精神的な負担を感じる方も少なくありません。
この病気の原因は完全には解明されていませんが、自己免疫の異常が関与していると考えられています。免疫が誤って自身のメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)を攻撃し、色素が失われることで白斑が発生すると考えられています。
尋常性白斑の治療には、光線治療や外用薬などを用いて、免疫の異常を抑えながら色素の回復を促します。

脂漏性角化症(加齢性いぼ)

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は良性の皮膚腫瘍であり、顔や頭皮、首、胸、背中、手足など、皮脂の分泌が多い部位にできやすく、茶色や黒色のざらついた隆起が特徴です。
この症状の主な原因は加齢ですが、紫外線の影響や遺伝的な要因も関与していると考えられています。特に、長年にわたって紫外線を浴び続けた部位にはできやすいため、日頃からの紫外線対策が予防の一助となります。
治療方法としては、冷凍凝固療法や、サージトロン、切除手術などがあり、いずれも短時間で済み、日帰りでの治療が可能です。当院では、脂漏性角化症の診断を行い、患者様の希望に応じた治療方法をご提案しております。

ほくろ

ほくろ(色素性母斑)は、皮膚の一部にメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が集まり、黒や茶色の斑点として現れる良性の皮膚腫瘍です。生まれつきあるものもあれば、成長とともに増えたり、大きくなったりすることもあります。一般的にほくろは健康に害を及ぼすものではありませんが、見た目が気になる場合や、衣服やアクセサリーなどで頻繁に擦れて痛みや出血を伴う場合には、除去を検討することができます。
ほくろの除去を希望される場合は、サージトロンや切除手術などの方法があります。

扁平母斑(茶あざ)

扁平母斑(へんぺいぼはん)は、皮膚に現れる淡い茶色のあざで、生まれつきある場合や、成長とともに目立つようになることがあります。大きさや形は個人差があり、楕円形や不規則な形をしていることが多いのが特徴です。顔や腕、背中、脚など、全身のどの部位にも見られ、基本的には健康に影響を与えるものではありません。まれに神経線維腫症などの疾患と関連していることもあるため、必要に応じて医師の診察を受けることが推奨されます。
扁平母斑は自然に消えることは少なく、大きさや色が気になる場合には治療を検討することができます。治療法としては、レーザー治療が一般的で、メラニン色素をターゲットにしてあざを薄くすることを目的とします。ただし、扁平母斑は一度レーザーで治療しても、再発することがあるため、複数回の治療が必要になることもあります。

異所性蒙古斑

異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)は、生まれつき皮膚に現れる青や灰色がかったあざで、本来お尻や腰のあたりに見られる「蒙古斑」とは異なり、腕や脚、背中、顔などの体の広い範囲に出現することが特徴です。蒙古斑と同様にメラニン色素が皮膚の深い部分に沈着することで生じるため、表面には盛り上がりがなく、なめらかな質感をしています。
通常の蒙古斑は成長とともに自然に薄くなり、小学校入学前後にはほとんど目立たなくなることが多いですが、異所性蒙古斑は大きさや濃さによっては残ることがあり、大人になっても消えにくい場合があります。
治療には、レーザー治療が有効とされています。メラニン色素に反応するレーザーを照射することで、あざの色を徐々に薄くしていくことができます。治療の回数はあざの濃さや範囲によって異なりますが、複数回の施術が必要になることが一般的です。特に幼少期の肌は再生力が高いため、早めの治療によって効果が出やすいことが期待されます。お子様のあざが気になる方や、成人しても消えない蒙古斑にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

粉瘤

粉瘤(アテローム)は、顔や首、背中、耳の後ろ、腕やお尻など、全身のどこにでもできることがあり、見た目は皮膚の下にしこりがあるように見えます。通常は痛みを伴いません。粉瘤の中央には「黒い点(開口部)」が見られることが多く、そこから内容物が排出されることもあります。
粉瘤は基本的に放置しても問題ないことが多いですが、時間とともに大きくなったり、細菌感染を起こしたりすることがあります。感染すると赤く腫れ上がり、強い痛みや熱感を伴い、膿が溜まって炎症を引き起こすことがあります。
粉瘤の治療は、手術による摘出が基本となります。感染を伴う場合は、まず炎症を抑える処置を行った後、状態が落ち着いてから摘出手術を行います。

ケロイド

傷や手術の跡、ニキビ痕、ピアスの穴などが治る過程で、皮膚が過剰に増殖し、赤みを帯びた硬い膨らみとなる状態を指します。通常の傷跡は時間とともに薄くなりますが、ケロイドは自然に収まることがなく、胸や肩、耳たぶなどにできやすく、徐々に大きくなったり、かゆみや痛みを伴ったりすることが特徴です。
ケロイドの治療には、ステロイド外用薬やテープ、ステロイドの局所注射、トラニラストの内服治療による治療などがあります。

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